「…そんな嫌がるなよ。だいたい、勉強しないと星城に受かるのは難しいぞ?」「…なぁ、それさ〜、賀川先生も言ってたよな?なんで難しいんだ?」

龍司の言葉に俺は、口をあけたまま驚きそして

「龍司…お前…もしかして…知らないのか?」

訪ねてみた。そんな俺に龍司は、首を傾げた。

「…もしかして…内容だけで受けようなんて思ったのか?」
「ああ、まぁ…。」
「由岐は?」
「俺は、お前らと一緒だしそれにバレーを続けたいから…」
「……」

2人の言葉に俺は、がくりと肩の力が抜けた。

「お前ら、そんな単純な理由で星城に決めてたのなら無謀だぞ?」
「「……」」
「だから、星城高校は、名門学校なんだよ!つまり偏差値が一番高いんだよ!」「「なに!?」」

俺の言葉に立ち上がりながら2人は、大声を上げた。

「はぁ〜。あのさ、俺と佐倉さんたちの共通点は?」「成績優秀。」
「そう。だから、星城受けるんだろ?施設とかもしっかりしてるしな。」

呆れながら説明する俺に龍司と由岐は、ポカンとしながら聞いていた。

「とにかく、試験日まで俺が付きっきりで勉強教えてやるから頑張れよ!」

2人の肩を叩いて言った後、ふとっ、俺は、あの2人のことを考えた。

(…そういえば…陽介と和也は、大丈夫なのかな?)

そんなことを思いながら俺は、龍司たちと一緒に勉強を始めた。


その頃…


「なぁ、陽介、聞いたか?」
「んっ?何が?」
「星城高校の偏差値。」
「?」
「昨日、俺さ、親に話したんだけど…そしたら、笑われたよ。“お前の成績じゃ無理”だって…」
「はぁ?」
「それで今朝、先生に聞いたら星城は、めちゃくちゃ偏差値が高いんだと…」
「……」

和也の言葉に陽介は、黙ってしまった。