(…なんだ…気のせいか?一瞬、篠崎さんに睨まれた気が…)

「みんなは?」
「私たちも一応、星城なの!」
「ああ、確か佐倉さんと飯塚さんは、俺と同じパティシエ目指してたっけ?」
「うん!そうなの。だから頑張ってみようかなって…」
「…」
「そっ、そっか。一緒に頑張ろうな。」
「「うん!」」

笑顔で答え佐倉さんと飯塚さんは、教室へと戻っていった…が…

「「「!?」」」

2人と一緒にいた篠崎が無言で俺を見てそのまま去っていった。

「あいつ…なんでいつも皐のこと睨んでるんだ?」
「さぁ、俺が聞きたいよ…。」
「……」

俺と由岐が話してると龍司は、黙ったまま篠崎が去った後を見ていた。

「「?」」
「あの女…ムカつく…」
「「……」」

龍司の言葉に俺たちは、唖然とした。

「龍司?」
「皐を…睨みやがった…」「お前…女でも容赦ないのか?」
「はっ?性別なんか関係ねぇよ。誰だろうと皐を傷つける奴は、許さない。」
「「……」」

その言葉に俺と由岐は、苦笑いし不機嫌な龍司と一緒に教室へと戻った。

「お前ってさ、小学校の時からそうだよな?」
「あっ?」
「皐のことだよ。」
「……」
「…当然だろ?皐は、俺の大事な親友だからな。」

恥じらいもなくさらっ言う龍司に俺たちは、なにも言えなくなった。そして、教室へと戻ると俺たちは、自分の席へと座る。

「自習…みたいだな。」

俺の左隣に座った由岐が黒板を見て言った。

「うーん、じゃあ、勉強するか?」

由岐と前にいる龍司に俺は、問いかけた。2人は、嫌がりながらも小さく頷いた。