「…お前らがバカだからだ!」

そのまま由岐は、さっさと歩いてしまった。そんな由岐の後を俺たちは、笑いながら追いかけた。そして、夏休みでのことを由岐に話した。


「マジ?」
「ああ、だからさ…由岐も一緒に…どうかなって…」「……」

俺たちの話しに真剣に考え由岐は

「まぁ、俺も…行きたい高校があるわけじゃないし…ましてや…お前らと一緒にいられるならどこでも構わないしな。」

優しく微笑んでくれた。その言葉に俺たちは、ホッとしていた。

そして、昼休み、俺たちは、担任に報告するべく職員室に向かっていた。

「しかし…お前らはさ…離れることを考えないのか?」
「はい?」
「だから、別々の道に行くかも知れないってことだよ!」

由岐の問いかけに龍司は

「…考えられないから…」
「えっ?」
「俺の隣に皐がいないなんてそんなこと考えられないし…想像つかない…」
「だけどよ…小さい頃からずっと一緒にいるんだろ?いい加減、嫌になったりしないのか?」
「……」

由岐の言ってることは、正論だ。俺自身も考えてたことじゃない。いつまでも龍司が俺のそばにいるとは思っていない。由岐の言葉に何も答えず黙っていると


「嫌に…なんか…なるわけないだろ?小さい頃から俺は、皐が好きなんだから…なにがあっても俺は、離れるつもりはないよ。」
「「!?」」

いつもとは違う龍司の声質に俺たちは、びっくりしてしまった。

「龍司?」
「…誰になんと言われようが俺は、絶対、皐から離れたりしない!」
「龍司!」

そのまま龍司は、走り去ってしまった。