その近くにはバスケットボールが入ったカゴが置かれていた。

「なんで、こんな場所にバスケットゴールが…」

不思議そうに俺が言うがいつの間にか陽介がボールを手にしていた。

「いいじゃん、皐!やろうよ!」

無邪気な笑顔で言いドリブルをしながら陽介は、ゴールの方へ走りそのままジャンプしてボールを浮かせゴールへシュートした。

「すげぇ、軽やかだな…。」
「まっ、一応、うちのエースだからな。」

軽く笑みを浮かべ和也は、言い俺たちに向かって

「2対2で勝負しねぇ?」

突然の提案をしそれに対し

「いいぜ、面白そうだしな。」

龍司は、あっさりと承諾した。そして

「陽介!ちょっと来い!」

和也は、大きな声で陽介を呼びつけた。それに気づき陽介は、ボールを持ったまま俺たちの方へ走ってきた。

「なに?」

微かに息を切らしながら俺たちに問いかけ和也が答える。

「今から2対2で勝負しないか?」
「…いいけど…組み合わせは?」
「そうだな…」

俺たち一人一人を見ながら和也は

「俺と皐、龍司と陽介でいいんじゃないか?」

微笑みながら言った。和也が決めた組み合わせに俺たちは、納得した。背の高い、龍司と和也。背の低い、俺と陽介。そして、バスケ部の和也と陽介。それを考えての組み合わせだ。

「んじゃ、やりますか?」「その前に、勝ったらなにかくれるのか?」

何故か、目を輝かせた陽介が俺たちに言ってきた。

「「「……」」」