それを見た俺は、思わず龍司に寄りかかり

「その前にこいつをなんとかしてくれ…」

小さくため息をついて言った。そして…

「和也、いい加減、笑うのやめろ。皐が困ってるだろ?」

なぜか俺を抱きしめて龍司が言うと

「悪い…皐ってホント可愛いな。」

笑いが収まったのか和也は微笑みながら言い返してきた。

「…その可愛いってやめろ。俺は、男だぞ。」
「関係ないよ。可愛いのに男も女もないから。そうだろ?」

にっこりと笑い和也は、龍司と陽介に問いかけた。

「まぁ、皐の場合はしょうがないかな。小さい頃から可愛かったし」
「俺も皐は、可愛いと思う。」

2人は、頷きながら答えた。

「…お前ら…おかしいんじゃないのか?」

呆れて言い返すが龍司たちは首を横にふった。

「さて、あそこで少し休むか?」

目の前のベンチに気づき龍司が言うと俺たちは、頷き休むことにした。

「はぁ〜、疲れたぁ〜。」「お前、まだジェットコースターしか乗ってないだろ!」
「皐、案外、体力ないのな。」
「……」

最後の陽介の言葉に俺と龍司は、目を見開いたまま思わず黙ってしまったが直ぐに龍司が聞き返した。

「陽介、お前さ、それ本気で言ってる?」
「えっ?うん。なんで?」

「なんでって…。あのさ、言っておくけどこいつ文武両道だから。」
「はい?」

龍司の言葉が難しかったのか陽介は首を傾げた。

「つまり、頭もいいし運動神経もいいってこと。」
「「…マジ?」」

龍司の言ったことに陽介と和也は驚いていた。

「お前ら、なんでそんな驚くんだよ。」
「だってよ。この顔で運動神経がいいなんて信じられないし」
「はっ?」
「この間まではイメージぴったりだったんだぜ?秀才でパティシエってさ。」

残念そうに陽介と和也が次々に言い返してきた。

(…こいつら…俺をなんだと思ってたんだ)

呆れながらそんなことを考えていると

「ならさ、あれで確めて見るか?」

突然、立ち上がった龍司がある場所を指差して言った。その方向を見てみるとそこにはなぜか小さな広場があり1つだけバスケットゴールがあった。