小さくため息をついた和也が答えた。それを聞いて俺は

「えっと…拒否って?」

龍司と和也を交互に見て問いかけたが

「「無理だな。」」

あっさりと返されてしまい結局、ジェットコースターに乗ることになってしまった。

待つこと30分、次第に順番が近づいてくると俺の口数が減っていた。

「…龍司、もしかして、皐ってジェットコースター苦手?」
「んっ?いや、ジェットコースターって言うより高所恐怖症。」
「…マジ?」
「おう。」
「……」

龍司の言葉を受けた和也はなぜか無言で俺の肩を叩いた。

「なっ、なんだよ。」

声が震えたまま言うと

「…っ…」

突然、肩を奮わせながら和也が笑いだした。

「!?」
「あはははっ!」
「「……」」
「なっ、なんで笑うんだよ!」
「いや、ごめん…可愛くて…あははっ」
「……」
「かっ、可愛いって…」

言い返すが和也はずっと笑ったままだった。そんな和也を呆然として見ている俺に

「ごめん、皐。和也って男女問わず可愛いヤツが大好きなんだよね。」

軽く肩を叩き呆れながら陽介が言った。

(…こいつら…2人共、おかしくないか?)

そう思ったと同時に順番になり仕方なく俺も乗ることになってしまった。




数時間後、無事、ジェットコースターから解放された俺は、フラフラしながら龍司たちの後ろを歩く。


ふいに3人の足が止まり

「皐、大丈夫か?」
「少し休もうか?」
「……」

龍司と陽介は、心配して言ってくれているのに対し和也は…小さく笑っていた。