そして、それぞれの道へと別れ俺と龍司はゆっくりと歩く。

「…龍司…」
「んっ?」
「ごめん…」
「……」

下を向いて歩きながら俺は龍司に謝った。すると、龍司は突然、俺の肩を組んだ。

「うわっ!」
「バーカ、気にするな。自分の気持ちに我慢することないんだからさ。」
「……」
「お前は、あの日からずっと我慢してたからな…」

ポンポンと優しく肩を叩き龍司は続ける。

「俺はさ、そんな皐が心配だったんだよ。全然、泣かないから…我慢して耐えていつか壊れちまいそうでさ…」

言いながら龍司は強く俺の肩を抱いた。まるで大切なモノのように…

「いいか?皐、俺の前では無理することなんてないから。きっと、あいつらの前でもさ。泣きたい時は我慢せずに泣いていいんだ。俺たちはどんなお前でも受け止めるからさ。」
「……」

その言葉に俺の胸は熱くなり涙を流していた。そんな俺に龍司はただ黙って俺の涙が渇れるまで肩を抱き包んでくれていた。



次の日、俺と龍司は陽介と和也に呼ばれ遊園地に来ていた。

「うわぁぁ、さすがに夏休みだけあって人が凄いな。」

遊園地に入った瞬間、辺りを見渡し陽介がびっくりしながら言った。

「すげぇ…」
「「……」」

俺たち3人も沢山の人に圧倒されていた。すると、意気なり陽介に手首を掴まれ

「行こ、皐!」
「えっ?」

笑顔で言われ引っ張られてしまった。


「…和也…もしかしてあいつ…」
「んっ?ああ、まぁな。昨日、ずっと皐のこと心配してたからな。」
「…そっか…」
「…俺も陽介も2人が好きだから笑顔でいて欲しいんだよ。」
「…サンキュ。」

和也の、陽介の優しさが龍司は嬉しかった。

「ほらっ、行こうぜ。皐が戸惑ってる。」

龍司の背中を叩き和也が言うとそのまま皐たちの元へ駆けつけた。