そして…

「おっ、終わったぁ〜!!」

数時間がたち陽介が意気なり大声を出しそのまま後ろへと倒れ込んだ。それに続くように龍司と和也も倒れ込む。

「…お疲れ。」

俺は、そんな3人に優しく声をかけた。

「おう!これも全部、皐のおかげだよ!」
「いや、俺は教えただけだから…やり遂げたのはみんなだよ。」
「「「……」」」

俺の言葉に3人は嬉しそうに笑顔で答えた。

「これで残りは遊べるよな!」

上半身を起こして陽介が嬉しそうに言った。

「まぁ、とりあえずはな。」

少し呆れながら俺は言い返した。

「?」
「あのな、陽介。とりあえず夏休みの宿題は終わったよな?」
「んっ?ああ。」
「でもな、これからもっとやらなきゃいけないことがあるんだぞ?」

陽介に向かって和也が言い出した。

「?」

和也の言っている意味がわからないのか陽介は首を傾げた。そして…。

「お前…どうやって高校に受かる気なんだよ…」

小さく溜め息をついて龍司が答えるとその意味をやっと理解したのか陽介は大きく目を見開いた。

「…えっと…」
「はぁ〜、とにかく俺たちが受験生だってことを忘れるなよ。」

優しく陽介の肩を叩き和也が言った。

そして、俺たちは周りを片づけ外へ出た。

「「「「……」」」」

昨日とは違う綺麗な夕焼け空に俺たちは思わず見とれてしまっていた。

「綺麗だな…」
「ああ…」
「「……」」

俺たちは、ゆっくりと歩き出した。その間、俺たちに会話はなかった。ただ、静かに夕焼けの中を歩いていた。

「こんな綺麗な空を見るのは初めてだ。」
「そうだな。」
「なぁ、明日はどこか遊びに行こうぜ。」

陽介の提案に俺たちは笑顔で答えた。

「でも、どこ行くんだ?」「「「……」」」

俺の問いかけに龍司たちが考え込んだ。

「…」
「はぁ〜、とりあえず明日決めたらいいんじゃないか?」

小さくため息をついて俺は言った。すると…

「あっ!なぁ、あそこの公園寄ってみない?」

元気良く指差しながら陽介が言い俺たちは公園へと向かった。