「うわぁ!旨そう。食べていいのか?」
「ああ、腹減ってたら集中力もなくなるしな。」
「サンキュ、皐!」

嬉しそうに陽介は食べ始める。それと同時に俺たちも食事をはじめた。

「んっ、美味しい!」
「皐…お前、スイーツだけじゃなくて料理も旨いんだな。」
「そうか?普通だとおもうぞ?」

あっさりと答え俺は立ち上がりキッチンから4人分のコップと冷蔵庫から麦茶を取り出しみんなに配った。

「それにしてもホントここって何でも揃ってるんだな。」

部屋の中を見渡して和也が言い出した。

「まぁな、俺と龍司で揃えたからな…」
「前にも聞いたけどなんでここに?」
「「……」」

陽介の問いかけに俺と龍司は一瞬口を閉ざした。

「…それよりさ、早く宿題終わらせて遊びに行こうぜ!」

俺たちに気を遣ったのか和也が焼そばを食べ終えて言った。

『…和也?』
『言いたくないことは無理に話さなくていいから。』

優しく微笑みながらそう和也は言ってくれた。それが今の俺にホッとさせた。

「そうだな、終わらせて残るの夏休みを満喫しようぜ。」

龍司も軽く俺の肩を叩いて言った。

「…ああ。」

2人の心遣いが俺に安心感を与えてくれた。そして、食事を済ませ俺たちは残りの宿題に集中した。

「「「「……」」」」

その間、俺は頭の中で父のことを思い出していた。

それに気づいたのか龍司は

『大丈夫だ。今はまだ話せなくてもそのうち話せるよいになる。それにこの2人ならちゃんと受け止めてくれるさ。』

優しく笑いかけて俺だけに聞こえるように言ってくれた。

『…ああ…ありがとう…』

胸が暖かくなり俺は心を込めて龍司に感謝の言葉を告げた。