「書き写すのはダメだぞ?お前の為にならないからな。」

ノートを鞄の中にしまいじっと見ながら言った。

「…わかったよ。じゃあ、皐が教えてくれるんだな?」

俺から目を逸らさず龍司が言い返すとなぜか和也と陽介も俺を見ていた。そして、俺は3人の視線に負け

「ああ、もう!わかったよ!全員、まとめて見てやるよ!」

自分の宿題をやりつつ龍司たちの宿題も見ることにした。

「それで…誰が一番手をつけてないんだ?」

龍司たちに問いかけるとゆっくりと手を挙げる人物…。

「はぁ、陽介か…」
「だって、夏休みたくさんあるんだぞ!いつやってもいいじゃん。なのに、和也が早めにやれって言うから…」
「……」
「それは…前科があるからじゃないのか?」

言いながら俺は、和也に目線を移した。それに気づいた和也は

「まぁな。こいつ、夏休みが長いのを理由に全然やんなくて…その結果、夏休みの終盤で泣きついてきやがったんだよ…」

軽く溜め息をついて言った。その言葉に俺は思わず龍司を見てしまった。

「皐?なんで俺を見るんだ?」

飲み物を手にしながら不思議そうに首を傾げながら龍司が聞き返してくる。

「いや…お前ら3人が似た者同士だと思っただけ…」「「「……」」」

俺の言葉に龍司たちは目をぱちくりさせながらじっと俺を見た。そして…。

「「こいつとだけは一緒にするな!」」

龍司と和也は陽介を指で差し同時に叫んだのだった。