そして、驚くことに星城高校はスポーツと料理の2つを授業として扱っていた。

「これ…」
「そっ。ここで皐はパティシエとして勉強すればいいんだよ。」
「…でも、龍司たちはどうするんだよ…」

龍司の言葉に俺は、彼らの事が心配になった。それに気づいた和也は優しく微笑み

「俺たちは、こっちで入学すれば大丈夫だよ。」

スポーツ科の方を指差した。

「俺と和也は、バスケ部だから大丈夫!」

笑顔で陽介が返し

「俺もサッカー部だしなんとかなるさ。」

龍司も微笑みながら答えた。まるで俺を安心させる為に…。

「ホントにいいのか?」

もう一度、龍司たちに気持ちを確かめてみると真剣な目で俺を見てしっかりと頷いた。

そして、俺たちは星城高校を受けることに決めた。無事に進路が決まり安心したのか陽介のお腹が鳴った。

「「「……」」」
「う〜、腹へった…」

力が抜けたようにテーブルの上に顔をのせる。それを見て俺は呆れてため息をつき

「…なにか食うか?」

ゆっくり口を開くと待ってましたと言わんばかりに陽介は目を輝かせ強く頷いた。

「じゃあ、夕飯作るか…龍司たちも食べるか?」

真剣に星城高校の案内書を読んでいる龍司たちに俺は声をかけた。

「…当然だろ?陽介だけって酷くないか?」
「俺も皐の手料理食べてみたい。」

少し寂しそうに2人は言った。

「べっ、別にお前らのを作らないなんて言ってないだろ!」

俺はつい慌てて2人に言い返した。