全員で高校の案内書を見始めてから何時間がたったのかわからないが突然陽介が立ち上がった。

「「?」」
「陽介?どうかしたか?


俺と龍司は目でおい和也は問いかけた。

「…疲れた…あれから全然決まらないし…」

力が抜けたみたいに陽介が言うと

「…うーん…そうだ、皐。久しぶりにアレ作ってみたら?」
「はっ?」

見かねて龍司が俺にフってきた。それもアレを作れと…。

「…時間かかるぞ?」
「簡単なモノなら大丈夫じゃないか?」
「…」
「「?」」

龍司に言われ俺は仕方なくキッチンへ行き準備を始める。俺たちの会話に和也たちはただ首を傾げていた。そして…。

「なぁ、龍司。アレって何?」

さすがに気になったのか陽介が龍司の近くに寄り聞いていた。

「んっ?それは出来てからのお楽しみだよ。」
「「?」」

そんな会話をよそに俺はもくもくと作業をしていた。
「なんか手慣れてるな…。」
「ああ、あいつの父親が得意でさ。良く一緒に作ってたんだど…。」

和也の言葉に少し寂しそうに龍司は答えていた。その声に俺は胸に痛みを感じた。

「じゃあ、その親父さんの直伝なんだ。」
「まぁな…。」

3人は俺をじっと見ながら出来上がるのを待っていた。

「よし、あとは焼けるのを待つだけだ。」

オーブンに入れ焼けるのを待つ。その間俺は、元の場所に座る。