「だからと言って……。娘をイブに仕立てたとて、世界が再生するわけではあるまい。もう良いだろう? 飽きる程した議論だ」 同じく悲痛な声で初老の男が答える。 「この……発明を使えば……。彼女は、人類の母になれる」 「ハーネス君。それはイブではない。娘をリリスにしたいのかね?」 「くっ……」 二人の間に沈黙が降りる。誰もが悲痛な思いを抱えているのだ。