駐車場にバイクを取りに行った。


『矢耶。行くぞ』


矢耶をここで待たせたりしない。

いつ、どこで、なにが起こるか分からないからな。

一人にするとか絶対無理。

心配だ。

心臓が何個あったって足りねぇ。


『ほらっ』


矢耶の脇の間に腕を入れバイクに乗せる。


「藍ありがと―」


ニコニコしながら俺に言う。

随分とご機嫌みたいだ。


『ちゃんと掴まっとけよ?』


メットを被せてバイクに跨がる。


「はいはぁーい!大丈夫だって」


ぎゅっと俺の腰に腕を回す。


『もっとしっかり掴まれ。』


そう言うと


「もうこれ以上無理だよ~」


とか言いながらもさらに力を入れて掴まる。

そういうとこが可愛い。

なんかテンション上がる。


『出発すんぞ―』


煩くない程度にマフラーをふかす


ブォーン――――――………