「わかったぁ――…
矢耶も藍とのんびりしたいな!」

やっぱり矢耶はあれに弱い。

俺の腕に腕を絡ませながら上目遣いで俺を見てくる。



普通の女なら

絶対に誘ってる態度―――……

けど矢耶は無意識。

そーいうとこがいい。

矢耶は最高の女だよ…。


「早く帰ろっ!ねっ?」


頭を傾げて言ってくる。

それどこで覚えてきたんだよ。

他のやつの前でやったら即相手をやってるな。

矢耶は無防備過ぎる。

ほんと俺って大変だよ。


『分かった分かった。じゃぁ、行こうか』


席を立ち梁翔さんに話し掛けた。


『このあとどーするんすか?俺ら帰りますけど…』

「俺らも荷物運びに帰るわ。金は今日は俺の奢り!早く帰ってやれ。矢耶のためにな!」


相変わらず矢耶にデレデレだな。

ほんとに周りから恐れられてた総長か?

想像つかねぇな。

俺も人のこと言えないだろうけど

まぁ奢ってもらえるのはありがたいな。


『ありがとうございます。じゃぁまたあとで』

「おぉ――…気をつけて帰れよ。」

「お兄ちゃん絢那ちゃんまたあとでね~」


矢耶が手を振る。


「藍飛!安全運転だからね!矢耶ちゃんばいはーい!」

『分かってる。じゃぁな』


梁翔さんと姉貴に見送られながら矢耶の手を引いて店を出た。