「矢耶の藍なのに…」


カチャと音をたてて置かれたスプーン。

一口しか食べてないのに矢耶はオムライスを食べるのを止めた。

矢耶のその一言が胸をギュッとする。

むしょうに抱きしめたくなる。

しゅんと小さくなる矢耶。

なに、この可愛いの。


『矢耶―――――………』


そっと肩に触れた。

ビクッとしたあと、俺の方に視線を移す。

肩にあった手をそのまま首へ顔へ移動させ頬を撫でた。


『俺は他のやつなんか視界にすら入ってねぇよ。矢耶しか見えてねぇ。だから心配するな。な?もう許してくれよ。頼むからさぁ』