《今日は残業だよ~!明日の休みは優也が見たかった映画見に行こうね。楽しみにしてるよ サキ》
昼休みに携帯で優也にメールを送った。

ピピピッ


《お疲れさん!わりぃ、実はこの間見ちまったんだ。今度はサキが見たいヤツにしよう 優也》



『な~んだ、せっかく一緒に見ようと思ってたのに。』

『どうしたの、ふてくされて。』

『紗和。聞いてよー。優也が見たかった映画見ようと思ってたのに、もう見たんだって。ほらあの、モデルのリサがでてたやつ。』

『あぁ~あれね、私もみたけど良かったよ!』

『そうなの?紗和も見たんだ、もしかして慎吾くんと?』

こんな会話を誰が不思議に思う事があるか。
私はいつまでも優也と一緒に入れると信じていた。

仕事が忙しい優也を気づかって、デートの時間が少なくなっても文句は言わなかったのは、残業続きの優也の為にそれが彼女として良い事だと思ったからだ。