『美波ー何してる?』
『寝てるけど・・・また酔っ払い?』

『今バイトの友達とバイト終わって飲んでてさ、すげーの!俺たち線路歩いてんだよ!美波も早くおいでよ!』
後ろで笑い声がするのは、同じく酔っ払った友達だろう。
声が聞こえてくる。『無理だよ、もう寝てるもん!』
『い~じゃんおいでよ。』

(あっはっは!ヤス~彼女かぁ?)

(ばかっちげ~よ!)

そこであたしは一瞬で真っ白になったんだ。聞きたくなかった、否定して欲しくなかった。

『ねーくる?』

『いかない!あたしはあんたの何なの?もう電話してこないで!!』

思い切り電話を切って、その後の電話にもでなかった。
こんな終わりだったの?

いくら何でもひどいよ。
彼女って言わなくてもいい。
だけどあたしを軽く見てたという事実が、もう耐えられなかったんだ。

あたしはヤスが好きだったのに。

本当にヤスを愛してたんだ。

もうあたしの中でヤスの存在は、こんなにも大きくなりすぎてしまっていた。

しばらくはショックでごはんも食べれずにいた。