─・・・8月27日。
とうとう来てしまった。

百合…誕生日おめでとう。

~♪

メールが来る。

差出人は、あみからだった。


《今日18時に駅ね~》


《分かった☆》


18時にあみと駅で待ち合わせ。
百合の誕生日はあみとの予定で埋まっていく。
百合に直接おめでとうって言いたかった。
百合は僕と別れた後、僕の誕生日に家まで来てくれた。
でも僕は百合に最低な事をした。

僕は百合を祝う資格なんてなかったんだ。



17時半を過ぎた時、僕は駅に向かった。

駅に近付くにつれ、次第に人が増えていく。
駅につくと人がいっぱいで溢れていた。


あみどこかな…?


あみを探していると、僕は人ごみの中から安里を見た。
その横には当たり前のように百合がいた。
僕はそんな二人を見ていられず、すぐ視線を反らした。
諦めなくちゃとは思っているのに、諦められない。


僕はダメな男ですか?



『ゆっ優~!!!』


人混みからあみが出てきた。


『あみ大丈夫?』


『せっかくの浴衣なのに~』


あみは乱れた髪を直している。
浴衣に描かれた模様が改めて夏だと思わせた。



『可愛いじゃん』


『そぅ~?ありがとぉ』


あみは本当に可愛かった。 もともと可愛いんだけどね。


『すごい人だな~』

『本当…でも楽しい!』

『まじか』


『だって優が一緒だもん』


僕はこのあみのサインに気が付かなかった。


僕の頭にあったのは、百合と安里の事だったんだ。