『……そっかぁ』
『おう…どうした?』
『いや…何も』
『?』
安里は何かを隠している。
そんな気がした。
……もうすっかり梅雨の時期だ。
毎日雨ですごく嫌になる。憂鬱だな…。
『鈴木君~』
僕を呼ぶ先生。
『なんすか?』
『これ、ちゃんと行きなさい』
先生から一枚の紙をもらった。
《鈴木優 身だしなみ。放課後、職員室まで》
やばっ。ひっかかった…
当たり前だろうな。
今の僕は学年一目立つ髪の色をしていて
ピアスもつけていて目立っていたから。
僕は放課後しょうがなく職員室へ向かった。
―ガラガラ…
『失礼します』
『鈴木、ちょっと来なさい』
生徒指導の先生が僕を見つけ手招きをする。
『なんだこの色とピアス』
『はい…』
『何でこんな事をした?』
《百合に嫌われるため》
『分かんないです』
『お前成績良かったじゃないか。今はどうしたんだ』
《百合から離れるため》
『………』
『戻せなんて言わないから、ちゃんとしろ』
『…はい』
『もう行っていいぞ』
先生は再び、仕事をし始めた。
『失礼します』
僕が職員室を出ようとした時、ドアが開いた。
そこには百合が立っていた。