『はっ?まじで?』
歩は僕の手にある紙を見た。
そこには大きく赤い字で、当たりと書いてあった。
『どんまい…だな』
『まじありえん』
しょうがないと思って、席に着いた。
『さて!誰になったかな?学級委員になった人、前に来て』
…最悪だし…
席を立とうとした時、僕の近くで椅子の音がした。
『男子は鈴木で、女子は小林さんね』
えっ…
小林百合が俺と同じ学級委員?
僕はまたあの感覚になる。
ドクン…ドクン…
前に立たされる僕と彼女。
パチパチと拍手をするクラスの人達。
ドクンドクンと高鳴る僕の鼓動。
『席着いていいわよ?』
先生の一言でほっとする僕。
あ~やっと解放される、この感覚に。
僕は席に着いた。
そしたら『鈴木君』と僕を呼ぶ、澄んだ声が聞こえた。
小林百合が話かけてきた。
またあの感覚が作動しだす。
『学級委員よろしくね』
『……うん』
僕はこれだけしか言えなかった。
今となれば少し後悔した。
もっと話せばよかったな…でもこの感覚のせいで、言葉が出なかったんだ…