百合がとても愛しい。
僕は百合を抱き締めた。
百合も僕を抱き締めてくれた。
百合…僕は君をはなさない。
絶対に。
僕は百合をベットに運んだ。
百合の目はまだ涙でいっぱいだった。
そして僕達は一つになったんだ。
『百合…また泣いてるの?嫌だったかな』
『違うの。嬉しいの…優君と同じ体温にいられるから』
同じ体温。
僕は今、百合と同じ体温なんだ。
肌と肌で感じる温度。
僕たちにしか感じられない温度だ。
幸せでたまらない瞬間。
百合…あの涙の本当の意味は何だったのかな。
その涙は、僕に流した涙じゃなかったの?
百合…僕以外の奴に涙なんか見せないで。
・・・あっという間に朝が来た。
カーテンから覗く太陽が眩しかった。
世界が明るかった。
隣には百合がまだ寝ている。
僕は百合の方に顔を傾けた。
百合…昨日は幸せだったよ。
ふと百合の左手に目を移す。
昨日あげた指輪がない。
落ちたのかな?と思い、僕は指輪を探した。
あった。指輪だ。
それはベットの下に落ちていた。
指輪を取ろうし、手を伸ばす。
すると指輪の横に何かが置いてあるのに気がついた。
何だろう。
手に取ったのは一冊のアルバム。
僕は中を開けたんだ。
そこには…滝川先輩と百合が写っていた。
写真の中の百合は、まだ僕には見せた事のない、とびきりの笑顔。
日付を見てみる。
右下に写っている日付を。
そこにはこう書いてあったんだ。