『出来たー』

『見せてー』

『歩きもー』

『んな事ないから!!分けようぜ』


初めてのプリクラ。

僕は今まで付き合っている時にプリクラを撮った事がなかった。


これが初めてのプリクラ。

でもこのプリクラをどうしたらいいだろう…

『優君、携帯に貼ってよ』

『え?』

『携帯に貼って?百合も貼るから』

『うん』


僕はプリクラ携帯に貼る事にした。



百合…今もこの携帯にはプリクラが貼ってあるよ。
はがしたいけど、はがれないんだ…



僕達は歩と沙紀と別れた。
僕は百合を駅まで送った。

これも日課なんだ。


『今日楽しかったね』

『うん、そうだな~』

『プリクラ…今度は二人のが欲しいな』


『うん、撮りに行こよ。今度』

『絶対ね』

『俺プリクラ初めてだったんだ』


『嘘ぉ?』

『ホントだよ。百合が初めて』

『百合が初めてか…何か嬉しいなぁ・・・』


『うん、俺も』


街の木が車が通る度揺れる。

そんな街の中を僕達は歩いた。


そして駅につく。


『じゃあね』

『バイバイ』


別れのキス。

目を閉じ、柔らかい唇に触る。


これがだんだん日課になりつつある。

僕はこの時が一番幸せって実感する事が出来る。


百合を肌で感じる事が出来る。


百合は僕のモノって実感出来る。


キスって不思議な行為。


キスをする度、僕は百合を更に好きになる。

キスをする度、百合とひとつって感じがする。


キスって不思議だな。


百合…君は僕とキスをする時何を思ってしていたの?

百合…僕は気付いてなかった。


百合の心にはまだあの人の存在があるなんて。


僕は知るはずもなかったんだ。