『優君の好きな人は相沢さん?』
僕はすぐに返事が出来ない…声が出ない…
『何で…そんな事聞くの?』
『気になったからかな…』
ドクン・・・
『違うよ!!!ホントに!!』
そうだ、僕が好きなのは今目の前にいる百合だけだ。
誤解して欲しくない。
『じゃあ誰?』
今百合って言ったら信じてもらえないかもしれない…
だからまだ言わない…
『今は言えない…』
『そっかぁ』
『あのさ…あの…滝川先輩だっけ? あの人は誰なの?』
僕は短時間にいろいろな話を聞いた。
《滝川 直》
二個上の同じ学校の先輩
百合の元中学の先輩
そして百合の元カレ。
別れたのは入学式あたりらしい。
でも滝川先輩の方は納得してないみたいなんだ。
だからあんなにもめてたらしい。
滝川先輩が百合の元カレ…
滝川先輩は僕と違って大人っぽかった。
顔もかっこいい。
百合と付き合ってた。
またイライラしてきた。
ヤキモチ。
でも百合はもう好きじゃないと聞いて少し安心した。
じゃあ百合は今誰が好きなんだろう…
僕は百合を駅まで送ってあげた。
駅に近づくにつれ、人ごみが増す。
僕は百合が電車で学校に来ている事をこの時初めて知った。
まだ僕は百合の事を知らなすぎる。
僕は百合を見送って、家に帰った。
家に帰ると僕は反省をした。
百合が一番好きなんだ。
百合…
僕は君にこの想い伝えるよ…