『優君に…見て欲しいものあったのよ』



『はい…』


僕の目の前に出された一冊のアルバム。


『開けて?』


僕は一ページ開けた。



そこにはさまざまな僕の姿があった。


『これ…』


『百合が撮ったものよ。優君には内緒でね』



百合が撮った写真の横には、メッセージが添えられていた。



《優君の寝顔♪かわいい》

《優君と初めてのツーショット☆すごい緊張した~》などいろいろ書かれていた。


それを見た僕は、涙を流すんだ。


『百合…ね、優君と付き合っている時、すごく幸せそうに話してくれてたの。
あの子ホント幸せそうだったわ…』



『…百合…』



『見て?この笑顔…
親の私ですら見たことのない笑顔を見せているの…優君に…』



『……ゆ…り…』



『百合はホントに優君が好きだったのね…』



『おばさん…』


おばさんを見上げると、目には沢山の涙を溜めていた。



『優君…ありがとね…百合を幸せにしてくれて…
感謝してるわ…』


そして、ゆっくりと溜まっていた涙が流れだした。


『俺も感謝してます…百合を…育ててくれて…』



そう言うと、おばさんはニコッと笑った。


百合にそっくりな笑顔で。


百合…


僕は君が幸せだったなら、それだけでいい。