『じゃあさ、太陽なくしたらお前どうなる?』



『…どうしたらいいか…分からなくなる』


『それと一緒なんだ。
百合は俺の太陽だった。
でも百合を亡くした俺は、道が分かんないんだ』



『優…』



『いつか…俺の道に光を照らしてくれる人…見付かるかな…』



『見付かる…絶対』


『いつか…百合を越えられる人と出会いたい…』


僕の頬を一筋の雫が痕を残して伝っていく。



『優なら出来るよ…』



歩は僕の肩を抱き寄せ、僕が泣き止むまで、ずっとこうしてくれた。




『さんきゅ…』



僕はまだ暗い道を歩き出した。
家に着くと、歩から受け取った、百合へのプレゼントを開けた。
僕はカードを見てみる。
もし、百合がこのカードを読んだら、百合は笑ってくれるかな…
僕を更に好きになってくれるかな。



僕は優柔不断だから、指輪を買うのにも迷ってしまった。



この性格…少しは直ったかな…


百合と出会って、百合を愛して、僕は何か変わったかな。



この指輪は、百合の薬指にはめるつもりだったのに、意味がなくなってしまった。


光で反射する指輪が、切なく、何かを訴えているようだった。


この指輪は、大事にしまっておけばいいのかな。