明日になれば、百合に会えると信じて、
朝、目を覚ました。
でも、昨日は夢ではなかった。
天気は昨日と引き続き、快晴。
僕の心は、昨日と引き続き雨模様。
『…おはよ…』
リビングに向かう。
すると黒い服に身をまとった母さんと幸がいた。
今日は、百合のお葬式だからだ。
『優…おはよう。今日お葬式来れる?』
『うん…行くよ…少し遅れて』
『そう…これからちょっと手伝いに行くから、先に幸と行くわね…場所分かるわよね?』
『…うん』
『じゃあ行くわね、鍵かけて出てきなさいね』
『分かった…』
家にひとり残された僕。
昨日の今頃の僕は、嬉しさでいっぱいだったのに、今の僕は笑っていない。
僕はふとテーブルの上にあった新聞をみた。
一面に昨日の事故について書かれていた。
見出しを見てみた、《604便 墜落》
死者853名。
日本人乗客654名。
この中に百合がいたんだ。
そしてその記事を読んでいくと、死者のリストが書かれていた。
一番早く見つけた名前。
《小林百合》
僕は百合の名前を一番早く見つけた。
百合の名前の上に僕の涙が染み込んでいく。