日がだんだんと傾いていく。
僕の目からはまだ涙が流れていた。
この日が嘘だったらいいのにって思う。
もし運命がなかったら、今頃僕達は笑っていたのかな。
その前に出会ってなかったかもしれない。



~♪

僕の携帯が鳴る。


『…………』


『優!?今どこにいんだよ!?』



『…空眺めてる』



『早く戻ってこいよ…』


歩の悲しそうな声が、余計今の僕を苦しくさせた。



『なぁ…歩??』



僕は鼻をすすり、歩に質問をした。


『何だよ?』



『運命って信じる?』



『運命?…あんまり…』



『俺…百合と出会ったの運命だと思うんだ…』



『うん…』



『運命って残酷すぎる…俺な…もし百合に一秒でも会えるっていうなら、
人を殺せると思う…』



『優…』



『俺自信ないんだ…これから百合がいない世界を一人歩いていくの…』



涙の速度は次第に速くなっていく。
僕は垂れ流すことしか出来なかった。



『う…ん』



『俺…百合がすごく…すごく…すごく大好きだったんだ…今でも変わらないくらい…大好きなんだ』



『優戻ってこいよ…お前が心配だ…』



『いつか…百合を忘れられる日は来るのかな…』



──ピッ・・・




僕は電話を切った。



いつか…百合を忘れる日が来るとしたら、そんな日は、来なくていい。


僕は、百合という女性を忘れたくないんだ。