『優!!!』
この声は歩だ。
僕は涙を拭く。
『優…』
『…あ…ゆむ…』
『優…』
歩は泣き崩れている僕に触った。
僕は歩に質問したんだ。
『百合が…いないのかな…俺…百合を抱き締める事は出来ないのかな…』
僕の目から、少ししょっぱい液が、流れる速度を速くして、床に落ちていく。
『優…』
歩は僕を抱き締めた。
『歩…俺分かんねぇ…世界が…世界が暗くて…意味分かんねぇんだ…どこに道があるのかとか…分かんねぇんだ…』
『優…』
歩の涙が僕のかかる。
『百合…に会いたい…』
『優!!!落ち着け?…つらいけど…』
『…やめろ!!やめてくれ…百合はまだ…』
僕は走りだした。
暗い世界を。
道がわからない世界を。
走れば百合に会えそうな気がして。
僕は走り、電車にのり、百合がいそうなとこを目指した。
そこに行けば百合に会えると思って。
百合の笑顔が見れると思って。
百合…
百合は僕の太陽だったよ。
キラキラと輝いてて、僕が進む道を照らしてくれた、あなたは太陽でした。