僕は百合を見つめる。


百合は僕を見つめる。




百合に見つめられて、僕の心臓はおかしく鳴り続く。


まるで壊れたかのように。

鳴り止まない…僕の鼓動。



『百合…あれ持ってる?』


『あれ?』



『俺達の思い出のモノ』



そう言うと、百合はポケットからあるモノ出した。


『これ…?』



『そう…これ』


百合の手の中にはあるモノがあった。


あるモノとは、


僕達の思い出のモノ。



僕達の指輪。



僕は指輪を百合の手から取り出し、百合の薬指にはめる。



やっぱり百合には大きかった指輪。


でも僕は指輪をはめた。



『はい…これで、俺達は恋人だよ』



『うん!!優君にもはめてあげるね』



『ありがとう』


百合は僕の薬指に指輪をはめていく。



でも僕の薬指になかなか指輪は入らなかった。


『ん~…優君太った?』


『あ?太ったかも!!だってこれずっとはめてなかったじゃん?』



『絶対はめる~!!はまれ~!!』



必死な百合を見ていると、おかしくてたまらない。


それも愛しいと思うんだ。


『はまった!!』



『お疲れ~』



久しぶりにはめたペアリング。


二人は恋人という証。