『百合と付き合って楽しかったよ。でも辛かった。だから百合とまた付き合うと、そうなるんじゃないのかなって思ってた。俺は逃げてたんだ…恐れてたんだ…』



『…う…ん』



『百合…一回しか言わないから聞いて?答えを聞いて?』



百合は今にも泣きそうな顔をして首を縦に振った。


『俺は弱虫でさ…前に進めなくてさ…でもよく考えたらね、誰が俺に必要か分かったんだ』



夜が見え始める。
星が、夜空に散らばった星たちが…見え始めた。


『もしこの先…辛い事がたくさん待ってても…
俺は逃げずに頑張る…
でもそれには必要な人がいるんだ…』



『………』



『俺すげぇ迷った。ナナか百合かって。すげぇ迷った。俺のね…隣にずっといて欲しいと思ったのは…百合だと分かったんだ…』



『…え…?』




『やっぱり百合に惹かれている自分がいたんだ。百合と別れた後もすごい後悔した。すげぇ泣いたし、すげぇ凹んだ』



『うん…』



『もし、俺に幸せがあるなら、全て百合に注ぎたい。百合が幸せになってくれれば俺は幸せだから。
百合の笑顔を見れるだけで俺は幸せだよ…』



『鈴木…君…』



『ねぇ…百合…鈴木君なんてやめてよ…前みたいに…呼んで?』



『優君…』



『良くできました』