―二年前のこの日、僕と百合は始まった。
背中に《ゆり》と書いた。
百合も僕の背中に《ゆう》と書いた。
空は、たくさんの星が輝いていたね。
―二年後の今日。
僕は新たな気持ちでいた。
僕は、百合が部活終わるのを待った。
静かな教室で。
教室からテニスコートが見える。
僕は百合を探すんだ。
『百合…』
僕の中には百合しかいない。
もう百合しか見えない。ナナには、最悪な事をした。
最悪な約束をした。
守れなかった約束をした。
でもナナは笑顔で別れていった。
ナナ…
僕はナナのおかげで、前に進めたんだ。
ナナのおかげ…
もしナナと出会って、恋をしていなかったら、僕はホントの恋というのを知らないまま、生きていただろう。
ナナ…ありがとう。
教室から部活が終わるのを確認すると、カバンを持ち、教室から出て行った。
百合がいるテニスコートへと歩いて行った。
テニスコートに着くと、ちょうど百合もテニスコートから出てきた。
『…百合…』
僕は友達と話しをしている百合を呼んだ。
百合は僕の声に反応をし、僕の方を見た。
『…鈴木君…?』