―キィー……バタン…
屋上のドアが閉められた。
僕は…ただ小さくなって泣く事しか出来なかった。
ナナは、僕といて幸せだと言った。
ナナは僕の態度に変化があった事を知っていたのに、何も変わらなく、笑顔を見せてくれていた。
ナナは…次に愛す人を幸せにしてと言った。
ナナは…大人だった。
僕が子供過ぎたのかもしれない。
ナナと過ごした数ヵ月は、僕を大人にする、僕を強い人間にする、架け橋だった。
―…僕とナナの恋は終わった。
ナナに一言《ありがとう》とメールを送った。
その返事は来なかった。ナナは、僕を優しい目で見守ってくれていた。
―次の日。
僕は学校へと進む。
日おもいっきり泣いた。泣き続けた。
泣きやむと、すぐに冷やした。
だから今日はあまり目が腫れていなかった。
僕とナナはもう他人なんだ。
それがなんだか、まだ実感がなかったりする。
『優…おはよ!!』
目の前は僕に笑顔であいさつをする、ナナがいた。