そのゴールの先には、キラキラとした光が見えた。
その光の正体はなんだろう。
『歩…俺行ってくる…』
『おう、行ってこい。俺は帰るからさ』
『さんきゅ…歩、お前に話して良かった』
『泣かせるような事言うな。早く行けよ』
『行ってくる!!歩…ありがとな!!』
『頑張れよ!!じゃあな!!』
僕は歩から離れていった。
言わなきゃいけない。
伝えなくてはならない。僕は弱い人間だ。
でも歩が言ったように、努力しなければ強い人間にはなれない。
僕は強い人間になりたかった。
だから僕は逃げない。
逃げずに努力する。
僕がまず行った先は、ナナの所。
僕はナナを学校の屋上に呼んだ。
もう誰もいない学校。
薄暗くて、気味が悪かった。
僕は屋上へと走った。
―キィー…
屋上のドアノブを引く。そこには不安そうなナナの姿があった。
ナナは不安でいっぱいだったんだ。
ナナ…これから話す事が、ナナにとって辛い事だったら、僕をずっと恨んでもいい。
でも僕は君を愛していた。