またあの感覚が僕を襲う…


何で百合からメールがくるんだ?
誰から聞いたんだ?

この学校で僕のアドレスを知ってる人は、歩と和樹と相沢瞳ぐらいだ…

どうして?


返事したほうがいいのかな…

でも何て言ったらいい?

何て打ったらいい?


答えが出ない…


メールをして、もしその事が和樹に知られたら…


二人の友情は終わりだ

僕の指は無意識のうちに、削除ボタンを押していた。


僕は百合からのメールを消した…


百合からメールが来てない事にしたんだ。




───…



僕はその日、夢をみた。


百合が和樹の方へ行ってしまう夢…

僕は必死に追い掛けた…

でもその距離は縮まらない…


それでも走った。

ようやく二人に追い付こうとしたとき、二人は消えてしまった。

僕は周りを見渡した。


そこには二人の姿はもうない。


後悔だけが残る。


僕の目から涙が出てきた。

そこで夢は途切れたんだ。

起きると目には涙がたまっていた。


嫌な夢だなと思い、制服に着替えて下へ行った。



『優おはよう、早く食べてちょうだい?』


『うん』


トーストのいい香りや、コーヒーの香りが、
リビングに広がっていた。



『久しぶり~優元気だった?』

リビングには3個上の姉の幸《さち》がコーヒーを飲みながら、こちらを見ていた。



『幸いたんだ?』



『何よ!それ~!
てか優かっこよくなったね!恋でもしてるとか?』


──ゴホッ…


飲んでいたお茶が出そうになった。



『当たり?』



『俺飯いらない!学校行ってくる』


僕は勢いよく家を飛び出した。