―…キーンコーンカーンコーン・・・
このチャイムで授業が終わった。
でも僕は終わってない。
先生に頼まれた事があるから残らなきゃならない。
百合と一緒に…
『えっとね、君達にはこのプリント三枚を一つにまとめて欲しいんだよね。クラス分あるんだけど、二人でならできるわよね?』
『はい』
と素直に答える僕と百合。
『じゃあお願いね』
―ガラガラ…
先生が教室を出ていった。
1年2組の教室には僕と百合しかいない。
―シーン…
僕たちには会話がなかった。
夕焼けが教室を照らす。
だんだんと照れくさくなってきた…
百合の顔がみれない。
百合の顔にかかる夕焼けのオレンジ色が更に百合を綺麗にする。
ドクン・・ドクン・・
またあの感覚だ…
今思えば和樹も僕と同じこの感覚なのかな…
和樹…
今日百合と楽しそうに話してた。
また気持ちが曇る。
そんな沈黙を破ったのは百合だった。
でも聞きたくなかった話だったんだ。
『ねぇ鈴木君…木田君って良い人だね』
ドクン・・ドクン・・
『なっ何で?』
『今日話しかけられたの。メールとは違って楽しかった…』
ドクン・・ドクン・・
『…鈴木君?』
『……………』
会話が終わってしまった。
何か話さなきゃ…
『…和樹いい奴だろ?顔もかっこいいし…付き合えば?』
『え…』
また沈黙開始。