あの子はなんだったんだろう…

疑問を抱いたまま、とにかく教室に戻った。



『優!遅かったな~』



『ん~何か変なものもらった』

僕は先ほど貰った手紙を机の上に置いた。

『何?』

ちょうどそこにいた沙紀も不思議そうにその手紙をみた。

《ここにメール下さい 待ってます。1―3 相沢瞳 》

それを見た歩と沙紀が声を合わせて

『相沢瞳ー!?』と叫んだ。

その大きな声を聞いたクラスの人たちが、僕たちを不思議そうに見た。



『何?知り合い?』

『優知らねぇの?相沢瞳って有名じゃん。 可愛くて美人でスタイルが良いっていうあの相沢瞳だよ!!』



『えっ知らねぇ・・確かに美人だったよ』



『鈴木君すごいね!百合も可愛くて美人で有名だけど、相沢さんもかなりの有名人だよ!!モテモテだね』



『そうなんだ…どうしよっかな』


『メールしねぇの?』



『だってほら…俺には…』


『確かにな~… 沙紀はどう思う?』



『私はねー…』

沙紀が何かを言いかけた時、百合が後ろから沙紀に抱きついた。

百合はどこかに行ってたらしい。

『どうしたの?』



『えっ別に何にもだよ?』




『この手紙なぁに?』


やばい!

時すでに遅し…

百合が手紙をひょいっと取った。


『何何~? メール下さい… 相沢瞳… どうしたのこれ…』


『優がもらったんだってさ…』

『ふーん…鈴木君は相沢さんにメール送るの?』



少しだけ百合の目が潤っていた。

『さぁ?分からない…』


ただこの一言だけしか言えなかった。

『ふーん、鈴木君すごいね!相沢さん美人だしさ!』


『百合…』


百合は、急いでどこかへ行ってしまった。

ほのかに香る、シャンプーの匂いだけを残して…