ナナはゆっくり僕に話してくれた。
僕はナナの過去へとタイムスリップする──…
―広瀬ナナ
小学生までは積極的で、明るくて男子からも女子からも人気があった。
だけど中学で何かが変わった。
いつも通りの毎日。
いつも通り友達と会話を楽しんでいた。
『ナナってさ~ホントすごいよね』
『えー?何で??!!』
『だって頭良いし、スポーツ出来るし!』
『そんな事ないよ??』
『羨ましい!』
『ありがとう』
私はみんなか好き。
みんなと話してると楽しいし、何か癒されるから。
でもこの事件がきっかけで私は変わり始めた。
―ガラッ・・・
担任の先生が勢いよく教室のドアを開けた。
びっくりする生徒達。
『広瀬…ちょっと来い』
先生に呼ばれる。
何か嫌な予感がした。
『落ち着いて聞け……今電話があってな、両親が事故で亡くなったそうだ…』
『…え?』
私は先生の言っている意味が分からなかった。
理解できなかった。
両親が亡くなった?
今日行ってらっしゃいと見送ってくれたのに…?
私はただ立ちすくす事しかできなかった。
私は病院に向かった。
自分で確かめるため。
現実を見るため。
私は走った。