『…私もいろいろあるのよ?』
『何?いろいろって!!!』
『気になる?』
『うん』
『だめ。絶対幻滅するから』
『何で?俺ナナの事もっと知りたい。俺ナナの力になりたい!!傍にいたい!!』
勢いあまって告白っぽい事をしてしまった。
―ザーン…
波の音しか聞こえない。
『あははっ優なに言ってんの?』
『まじだよ…』
僕の頬が赤く染まっていく。
『優は、私の過去を聞いたら私から逃げ出すと思うよ?』
『過去?過去に何かあったの?』
『…………』
『ナナ?』
ナナの頬に雫みたいな液がつたわっていた。
『…ナナ泣いてるの?』
『…ご…めんね、ここまでしてくれる人初めてみたから』
『ナナの事ほっとけないから。ナナの事守りたいから』
『…ありがと…優だけだよ…私に手をさしのばしてくれたの』
ナナ…僕もその言葉をナナに返すよ。
僕も君が手をさしのばしてくれたから、僕は百合の事を忘れられたんだ。
『…優…途切れ途切れになっちゃうけど、私の過去を聞いて?』
『うん…ちゃんと聞く』
『お願いだから、逃げ出さないで…傍にいて』
『うん、傍にいるよ?ナナ…』
ナナはゆっくり話をしだした。