秋の気配が漂い始めた、ある夜。

前線の影響で、雨が止まない。

そのせいで、客は、ホーと元夫婦のコピーライターの三人。

「ユキシュンは結婚しないのかね?」

ホーが、語りかける。

「しないんじゃない。」

男の方が、さも自身ありげに答える。

「どうして、そう言えんの?」

不思議そうに、尋ねる。

「ベスポジ、ってやつじゃない。」