君は特に気にする様子もなく、まだ夜空を見ていた。

「私ね、ここに引っ越してきたのは、自分で悔いのない生活を見つけたかったからなんだ」

君が自分に言い聞かせるように話し始める。

それを俺はただ、聞いていた。

「大学もね、田舎の大学に行ってたんだけど、休学中。
不安だったんだけど、なんか今、すごく毎日が楽しいよ」