これは本当だった。オーディションは結果が分るのが嫌で受けたことはない。

「受けてみればいいのに」

君が屈託のない笑顔で言った。

俺はなかなかやる気にはならなかったが、頷いてみせた。

そのあと、君が歌をどうしても聞きたいと言うので、一番に自信ある曲を歌うことにした。