君は俺の身体に包まれながら呟いた。

『これで、死んでいくことが恐くなっちゃったよ』

でも、俺には君のその言葉は聞こえなかった。

俺はただ、君を抱き締めながら、君の鼓動を感じていた。

『茜、ごめんな。人を上手く愛する自信はないけど、精一杯守っていくよ』

今の俺に言えるのは、それだけだった。