「透こそ、彼女作んないのかよ」

「俺はいいんだよ」

「女に興味ないフリしちゃって。彼女いれば歌詞の世界が広がるんじゃねぇ」

「いいんだよ。俺の世界があるんだから」

「もしかして、まだ引きずってんのか?お前のせいじゃないだろ」

「そんなんじゃないよ」

そう口では言いつつ、透は五年前のことを思い出していた。