家から少しでも早く離れたくて、由香の手を握り早歩きで歩き始めた。 「どうしたの?」 由香が私に問いかける。 『……。』 頭の中が整理出来ていないので答える事が出来なかった。 それを察してくれた由香は、それ以上何も聞いてこなかった。 その優しさが嬉しかった。