ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ



始業式開始のチャイムが鳴った。




｢由香って奴、放課後3-1来いよ。用事無いならアズも一緒にね｣


『はい。すみません。』




私が代わりに頭を下げた。


由香は私の後ろで黙って下を向いている。



沙織さんは体育館に向かって走って行く。




『由香ぁ！始業式サボろっか。公園行こう？？ニコチン足りないっしょ！笑』



｢うん…｣




私達は高校の裏にある公園目指して細い一本道を歩き始めた。



フ―…



空に向かって煙を吐くと
そこには見た事が無いくらい青色の綺麗な空が一面に広がっていた。


暑い――


蝉がうるさく吠えている。




『これが雲一つ無い空って言うのかなぁ？？』



｢…。フ―…｣




由香は下を向いて地面に煙を吐き出した。


そしてつぶやいた。



｢…ぁ―まじダルい。｣



『由香、夏休み中に翔さんと何かあったの？夏休み中相談聞いてないよ？』




翔さんとは由香の彼氏。
二人が付き合い始めて半年くらいかな。



｢翔と別れたの。｣



『!？え？なんで!？二人で海行くんだ―って喜んでたよね？』



｢うん…。無くなったぁ。翔、他の女と行っちゃった。｣