「気になって…。智也が爆睡してる時携帯の履歴見ちゃったの。そしたらね……。」
由香が下を向く。
雨の音が由香の声を消そうとする。
『そしたら?』
「……携番じゃなくて家電からかけたって感じの番号が並んでた。」
『市外局番からの番号って事?』
「うん。しかも全部バラバラの番号なの。」
『え?どういう事?それって誰なの?』
「アタシも意味が分からなくて…。だから一番最近にかかってきてた番号をアタシの携帯にメモったんだぁ。」
『かけてみた?』
「うん。間違い電話のフリしてかけてみた。」
由香の眼から今にも涙が溢れそうだった。
煙草に火を着けながら
はぁ
と溜め息をした。
私も煙草を取り出し火を着けた。
由香が口を開くまで待っていた。