と、そのはずが。

一緒に作業場まで来てしまった。


「絵、描くんじゃないの?」

準備をする彼に言うと、

「そうだよ」

と、弾んだ声が返ってきた。

「私、邪魔なんじゃ」

「んーん。待ってて?」

彼は既に鉛筆を構えている。

軽く首を傾げられてかわいくお願いされてしまっては、実際帰る理由もなく、私はいつ終わるかわからない彼の絵の完成を待つことにした。