それなのに、私の脳裏には大海原を疾走する3頭が見えた。

どちらがより青いのかわからない青空の下の紺碧の海を、競走するように泳ぎ進む3頭。

まるで音楽を奏でているかのように、時折小さなジャンプをリズムよく交互に繰り返しては、じゃれ合うようにくるくると輪を描いて泳ぐカレ等。

私はとっさに悟った。

本来のカレ等は、壁で仕切られたこんな世界で生きるべき生物ではないのだ。

果てのない広い広い海を泳ぎ回り、本能に従いその気持ちのままに湧き上がる感情を全身で表現するのがカレ等。

見えない鎖で拘束され、与えられたシゴトをこなしているだけがカレ等ではないのだ。


そう思ったら、涙が出た。