一つため息を吐き出して、重い腰をあげてレオの声のする方へ向かう。
居間へと向かうにつれ、はっきりと聞こえてくるレオの悲鳴にも似た泣き声。
これは尋常ではないと感じ、駆け足になる。
前方からレオの泣き声を聞いてかランとミンも駆け寄ってくる。
勢いよく、開けた居間の襖からとんでもない光景が現れた。
「なっ! どうしたレオ!」
何とあろう事か、顔が血まみれになっているレオが泣いている。
レオは額の部分に手を当てて痛がっている様子。
そっとレオの手を放すと、一気に出血してきた。
どうやらレオは額を切ったらしい。
後ろからは、
「うわっ」やら「ひでぇー」だのランとミンが口々に言っている。